宝物な君と
『はっ?』

レストランの個室に入ってきたのは、永久に抱っこされた七くんとその後ろからは蒼空くん。

どういうこと?!

「ママ!永久くんがボクのパパになりたいって!ボク、そうなったら嬉しい!」

『七くん??』

「敦賀、悪かったな。」

私を置いて、会話が進む。

敦賀さん知り合い?

『敦賀さんは知り合いなの?』

永久に向かって尋ねると。

「ああ。うちの顧問弁護士だ。今回のお見合い、たまたま敦賀だと知って、先に事情は話しておいたんだ。まさか口説こうとするとは思わなかったがな。」

ジロリと睨まれても、ニッコリ笑っている敦賀さん。

「なんか面白そうだったんで。コロリと傾くような女じゃ、この先心配ですし、ちょっと遊んでみました。」

はぁ?!

何なの?

『初対面で試されるなんて、なんだかとっても腹立だしいわ。じゃあ、さっきのも全部ウソですか?』

「あなたを好みだといった以外はウソです。すみません。」

謝ってる顔じゃないし!

「むしろ、それだけウソにしとけよ!」

永久の突っ込みも今はジャマ!

『最初から騙されてたわけね。』

「オレがお見合いなんて、させるわけないだろ。」
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