宝物な君と
傷つけたくないと思っての行動が、余計に傷つけたのか。

「最近紅さんにも会ってないだろう?七くんが会えないことで落ち込んでたから、お前達と近づけた自分を紅さんは責めているかもしれんな。紅さんは、七くんのためなら、お前を切ることもできてしまうだろうしな。」

「なっ、切るって…。」

切る…つまりは縁を切るってことか!

やっと近づけたと思ったのに、そんなことさせるかよ。

紅も七世も傷つけたけど、オレは二人を手放したりしない。

「ちなみに永久、あんまりゆっくりもしてられんぞ。紅さんの母親がお見合い話を持ってきたそうだ。断れない話みたいだぞ。」

「はぁぁぁ?!」

「うっそ!永久、ゆっくり関係進めてる場合じゃないぞ!」

何故か同じ位蒼空が焦ってる。

即座に立ち上がり、部屋を駆け出す。

慌てて蒼空も着いてくる。

無駄だとわかってるが、エレベーターのボタンを何回も押してしまう。

「ったく!なんで副社長室はこんな高い位置にあるんだ!」

わけのわからない八つ当たりまでしてしまう。
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