宝物な君と
おまけ・七世の欲しいもの
『七くん!クリスマスはサンタさんに何をお願いするの?』

カフェ・Luciaのカウンターにて。

保育園から帰ってきた七くんは、お絵描きをしています。

私は夕御飯を作りながら、近づいてきたクリスマスに備えて、七くんの欲しいもの調査です。

早めに聞いておかないと、手に入りにくい物だと大変だしね。

「永久くんと蒼空くんは何をお願いするの?」

仕事終わりに今日も来てくれてる二人に、七くんはお絵描きをやめて聞いている。

「オレは可愛い彼女がほしい!…っ痛てぇ!」

すかさずそう答えた蒼空くんを殴る永久。

「彼女?ああ、コイビトだね。蒼空くんは優しくてカッコいいから、いないのは不思議だね。なんでかな?」

七くん、恋人なんて言葉知ってるの?

またおませな理々情報かしら?

「性格が腹黒いからだろ。」

「永久に言われたくない!」

永久と蒼空くんが言い合ってると。

「ママ、ボクね。欲しいものはもう決まってるんだよ。」

嬉しそうに私に言ってくる。

『えー、何何?ママに教えて!』

三人の前に夕御飯を出しながら、興味津々で聞き返す。

「当ててみてー?ヒントはね、去年かいとくん家にはお願いが叶ってやってきたんだって!」

やってきた??

サンタさんが来たのかな?

「やってきたって…人?」

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