宝物な君と
大事にしてくれるのは、わかってるけど。

モテそうな永久だもん。

最初が肝心でしょ。

しっかり釘さしとかないとね。

「永久、紅ちゃんおめでとう!」

蒼空くんの嬉しそうに弾んだ声がした、その時だった。

ちょうど新しいお客様。

『いらっしゃいませー。』

奥にいた葉ちゃんも、表にでてきて接客にまわってくれる。

女性のお客様で初めて来店する二人だね。

「副社長!服部さん?!わぁ、偶然です~!」

「きゃ~!ご一緒していいですか?」

二人に気づいて近づいてきた。

なんかキャピキャピしてるな。

私と同じ年位みたいだけど、私にはこのノリ無理だな。

副社長って言ってるから、会社の社員さんか。

「無理。」

永久、目も合わせずバッサリ切りました。

「いいじゃないですかぁ!この前聞けなかったケータイも教えてください!」

目上になれなれしすぎない?

永久の会社って、こんな感じでアットホーム?な会社なの?

「テーブルに移りましょうよ!それか、ボク~?お席譲ってくれない?」

七くんにまでワケわからんこと言って、押し退けようとしてる~!

バカなの?!



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