私の存在価値
奏汰「ここら辺はもう大丈夫そうだぞ。由紀の方がやばそうだったから、由紀の方行こうぜ!」

由紀の方、繁華街の奥地は、薬やらかつあげなど色々と酷い。
こっちもそんなもんだが、奥地はここ以上に酷い有様だ。

響「あぁ。あいつの事だから大丈夫だと思うが、万が一のことも考えて急ぐぞ。」

奏汰「イエッサー!響って地味に優しいよなw」

地味に…。

響「なんだ?前面的にだせば良いのか?」

奏汰「いや、それはそれでキモいからやめてw」

キモいだと?

響「なら最初から言うな。」

はぁ…。何なんだ全く。

響「ところで、由紀の居場所知ってんのか?」

奏汰「いんや?しらねーよ?え、響知ってるんじゃねーの!?」

こいつ…。

響「知らねぇ。」

どうすんだよ。これじゃ迎えねぇじゃねえか。

奏汰「お!由紀きゅんの声したぞ!」

そのあだな由紀の前で言うなよ?あいつこの名前だけは気にくわないらしいから。
奏汰は本人がいない時に色々普段言えないこと言うよな。


奏汰「おーい。そろそろ帰るぞー!」

そんな遠い距離じゃないんだから叫ぶなよ。

由紀「うるさいなぁ。こんな所で叫ばないでよ。近所迷惑!分かる?」

奏汰「すまん…( ´・ω・`)」

案の定奏汰は由紀に怒られた。
ところで、隣のチビは誰だ?150あるかないかぐらいの身長だ。

響「由紀、そいつ誰だ。」

俺が聞くと由紀は興奮した犬のような顔で

由紀「こいつ?聞いて響!こいつめっちゃ強いの!俺の蹴り交わしたんだよ!」

と言った。

響「ほぉ。」

仮にも蝶燐の幹部だ。その由紀の蹴りを交わすとは。喧嘩慣れしているのか、族に入っているのかどっちかだろう。

響「お前、名前は?俺は…」

『知ってるよ。蝶燐総長 加山響 だろ?』

男…。
こんなちっせぇ男もいるんだな。

響「知ってるのか。この業界には詳しいんだな。」

『まぁな。俺はAgeha。ってことで俺は帰る。 じゃあな。』

Ageha!?
俺は帰ろうとするそいつの腕を掴んだ。
その腕は今にも折れるんじゃないかと思うほど細かった。

響「待ってくれ。」

声が震えていた。

『はっ?何だよ。早くしろよ。帰りてぇんだよ。俺は。』

Agehaは面倒くさそうな声を出した。

響「すぐに済む。お前この前隼人って言う奴助けただろ?」

俺の問にAgehaは間を開け、あっ と言うと

『襲われてたやつ。んで手当してやった奴のことか?』

と言った。

響「そいつだ。 その節は本当にありがとう。そいつ俺の族の下っ端なんだ。お前のお陰で軽傷で済んだ。
本当に助かった。」

俺は深々と頭を下げた。本当にこいつには感謝している。俺の大事な家族とも言える下っ端を助けてくれたからだ。何度お礼を言っても足りないくらいだ。

奏汰も由紀も同じように頭を下げた。

奏汰・由紀「ありがとう!」

『俺はお礼をされることはしてねぇ。俺がしたくてした事だ。だから頭を上げろ。』

Agehaはそう言って頭をかいて俺らの頭を上げさせた。

響「あぁ。本当に助かった。」

『あーもう!何回も言うな!じゃあな、俺は帰る!』

奏汰「今度倉庫来てくれよなー!!」

奏汰が叫んだ。
由紀が奏汰を睨んでいる。
後でなにかされるな。奏汰どんまい。

Ageha
本当にありがとう。
この恩は一生忘れねぇ。
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