私の存在価値
私『…もしもし?』
普段滅多にかかってくることが無い祖母からの電話
祖母「もしもし、夢音。お願いがあるんだけど、今良いかしら?」
お願い事…。珍しい。
私『良いよ。何?』
返事に祖母が微笑む。
祖母「今日本家に来て欲しいの。」
私『え…。どうして…?』
本家とは祖母達の住む家の事。
本家への呼び出しは何か大事な時にしかない。
=今回のお願い事は大事な事
ということが分かる
祖母「今日、財閥の晩餐会があるの。そこに貴方を連れていかなければならない用が出来てしまったの。
だから…来てくれないかしら?」
祖母は今まで私の為を何かと面倒見てくれた。
そんな人からの願い事。
当然私は断れるはずもなく
私『分かった…。』
祖母「ありがとう夢音。今日13時頃に迎えにいくわね。それじゃあ。」
私『うん。またね。』
プツッ……プーッ…プー
切れたと同時に携帯を下ろす。
多分私を時期社長として紹介するのだろう。
でも、それは私の気持ちが纏まるまで待ってくれるって話だった。
…はぁ。
てか今何時。
携帯の画面を開け見る。
─11時45分─
まだ時間はある。
でも、ここにいても退屈だし、帰ろ。
背後に気配を感じサッと振り返る。
そこには隼人がいた。
私『…何?』
隼人「あの、さっきはすみませんでした。結音さんに対して失礼な事言ってしまい。」
そういい私に向かって頭を下げた。
私『頭をあげて。別に私はそのくらいで怒らない。そこらの女じゃあるまいしw大丈夫だから。』
隼人「ですが…!」
しつこいなぁ…。しつこいの嫌いなんだよね。
私『もう、いいって言ったらいいの。気にしてないから。…あとそれよりも、それどうにかしてくれない?』
さっきからずっと気になってた。
隼人「え?それ…とは?」
私『敬語よ。け・い・ご。敬語は嫌。ここは上下関係なしなんでしょ? 』
いくら姫の方が位は上だとしてもね。
隼人「え、でも…。」
私『とりあえず、敬語はやめて?もう少し言ったら結音さんもやめて欲しいな…。呼び捨てでいいよ。』
隼人「いやいや!呼び捨ては流石に怒られます!」
私『ん?誰に?』
隼人はやべっという顔になり
隼人「何でもないです!忘れてください!」
と言ってきた。
私『隼人が敬語やめてくれたら忘れてあげるよ。』
隼人「えぇー!」
私『あ、ムリならいいよ。その代わりずっと覚えててあげる。』
隼人「あぁぁ!それも駄目です!うぅー泣」
悩んだ末隼人は
「敬語やめるから、さっき言ったことは忘れて!!」
と言った。
私『分かったww
次敬語で喋ったら言うからね?』
隼人「分かった!もう二度と敬語で話さないから!」
ふふっ。満足。満足。
敬語ってどうしても好きになれないんだよね…。
俊のは何か過去が関係してるっぽいから、無理に敬語直して欲しくないんだよね。
まぁ、あれが俊ってイメージになってきてるからもうどうでも良いけどww
私『じゃあ、私部屋戻るね。また今度下にいくから。』
隼人「うん!待ってる!」
私『じゃあね。』
隼人「またねー!
本当はもう…(ボソッ)」
そう言って私は幹部室へ戻った。
ガチャっ
俊「おかえり。遅かったですね。」
私『ただいま。
悪いんだけど今日もう帰っていい?ちょっと用ができた。』