私の存在価値
奏汰「お前にも用あるんだな…」

は?まるで私が暇人とでも言いたいのか。

私『私にだって用ぐらいあるわよ。あなたとは違うのよ。』

奏汰「あぁ!?俺が暇人とでも言いてぇのかよ!」

私が思ってた事と同じこと言ってるし。

私『……。ねぇ、帰っていい?』

奏汰「おい!無視するn…」

俊「良いですよ。ちなみに、用とは?」

私『…家のことでちょっとね。』

あながち嘘じゃ無い。家のことだし…。

俊「…そうですか。じゃあ、誰が送りますか?」

ガタッ

響「俺が送る。」

今まで目瞑ってたから寝てるんかと思った。
起きてたんかい!
そう、一人心の中でツッコミを入れた。

響「…?何突っ立ってんだよ。行くぞ。」

あぁ、そうだったそうだった。

私『うん。じゃあね皆。』

俊「また明日。」

奏汰「おう!またなー。」

由宇「じゃあね〜♪」

由紀「………。」


バタンっ。


響の横に並んで歩く。

多分だけど、響。
私の歩くスピードに合わせてくれてる。

やっぱり優しいんだな…響って。
ただ不器用なだけって感じ。

じーっと顔を見てると、響がその視線に気づいたのか、こちらを見てきた。

響「…なんだ。なにか付いてるのか?」

私『いや、響って優しいなって思って。』

思ってたことをそのまま言うと

響「……。アホな事言ってねぇでさっさと歩けよ。」

私『せっかく褒めてあげたのにさー。もう。』

なんだよ。もう二度と褒めてやんなーい!!

ふん!そう不貞腐れて響よりも前を歩く。






ボソッと呟いた「ありがとう」は届かなかった。
そして、呟いた彼の耳は赤色に染まっていたのを夢音は知らない。
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