私の存在価値
Part10 財閥パーティ
その後私とおばあちゃんの間で会話はなかった。
車に揺られていると車が止まった。
「奥さま、着きました。」
祖母「えぇ。ありがとう柳田。さぁ夢音行こうか。」
「うん。…柳田さんありがとうございました。」
運転手柳田さんにお礼を言って車を降りる。
本家はいつ見ても大きい。
木を主に使って作られている和風の家
外には庭があり、小さな湖がある。
いつも外門から歩いてくるのではなく、玄関の手前に降ろしてもらいそこから歩く。
外門からだと多分15分はかかる。
だからいつも玄関の手前で。
私はおばあちゃんのあとをついて行く。
おばあちゃんがドアを開ける。
「「「おかんなせーませーー!!」」」
中から一斉に声がした。
うるさっ!
どんだけ声量だしてんだよ。
祖母「えぇ、皆ただいま。さぁ、夢音も言いな?」
「えっ!夢音さんいるんすか!?」
祖母「えぇいるわよ〜。ほらっ!」
そう言っておばあちゃんは私を前へと出した。
私「おわっ!」
ビックリして変な声出ちゃった…。
視線を上げた私は皆が皆自分の事を見ていることに気づいた。
私「あー…ただいま…?あはははは…。」
ドタドタと足音をさせて一人が夢音に思いっきり抱きついてきた。
「ゆ゛ーの゛ーん゛ーーーー!!!!」
私「おぐっ!」
勢いがあり過ぎて倒れそうになったけど何とか耐えた。
「おまえ゛ーー!!どんだげじんばいじだど思っでるんだよ〜!!泣」
うわ、こいつ顔汚ったね!
早く離れろよ〜
私「ごめんってー。だから早くはn…」
「ぼんどにお前はーー!!」
私が話してる途中に喋んなよこの野郎!!
私「もうっ!!ごめんって言ってんじゃんか!てかいい加減離やがれこのクソ変態亜輝が!」
そう言って私は亜輝をぶん投げた。
亜輝「いってぇぇ!!!それが久々に会ったやつにとる態度かよ!!このクソ夢音が!」
私「なんだとこの野郎!やんのかコラぁ!」
亜輝「あぁ上等だこの野郎!」
夢音と亜輝が言い争ってる間周りの人らは微笑ましくその光景を見つめていた。
夢音がまだ本家似いた頃もこうして亜輝と度々言い争っていたのだ。
祖母「こらこら。折角の再会なのに全く二人は…」
今にもお互いに殴りかかろうとしていた夢音と亜輝を止めた。
そしてお互い全怒りをかけて
「「ふんっ!!」」
と顔をぷいっと背けた。
祖母「さて、夢音と久々に再会して話したいことは沢山あるだろうけど今日は違う目的でここに来たんだから、話すのはそれが終わってからにしておくれ。いいかい?」
「「「はいっ!!!」」」
祖母「さぁ、夢音部屋に行こう。」
私「うん。皆……あの、また後で話そうね!」
「「もちろんです!!」」
そう言い私はまたおばあちゃんの後ろをついて行った。