私の存在価値
祖母「夢音が変わっていなくてよかったわ。」

歩いている途中おばあちゃんがポツリと呟いた。

私「え?」

私が変わっていない…?そんな訳ない。私は昔と随分変わった。 どこが変わっていないのだろう…。

祖母「ううん、何でもないわ。
それより夢音、今日は何着ていこうか♪ドレス?それとも着物をいいわね〜。もう可愛いから何着ても似合うから何にしようか迷っちゃうわ!!メイクもどうしようかしら〜。うーん、ここはやっぱり─」

しんみりとした空気から一変。今度はほんわかした空気に変わった。
そしておばあちゃんのマシンガントークが始まった。

祖母「夢音はどっちがいいと思う?着物で和を表現した格好をするか、ドレスで洋を表現するか。」

私「うーん……。」

着物着るの好きだから着たいんだけど、動きにくいんだよな〜…。
でも、ドレス着たら生地が薄いから寒いんだよね。
でもドレスって上に何か羽織れば温かいよね。
あと靴もドレスの方がヒールだし下駄よりかは歩きやすいかも。
うーん迷うなぁ〜。

私が考えているとおばあちゃんは何か閃いたらしく、あっ!と声を漏らした。

私「どうしたの?」

祖母「両方着ちゃえばいいのよ!」

私「え?一体どうゆうこと?」

祖母「あれよ、あれ!前半と後半に分けるの。」

私「え、例えばドレスを先に着て後で着物に着替えるってこと?」

私が答えるとおばあちゃんはそうそう!と声を弾ませて言った。

祖母「うん、それに決めたわ。パーティ参加者も絶対わっと驚くわ!」

おばあちゃん昔から人を驚かせること大好きなんだよね…笑

祖母「じゃあ、急いで準備しなきゃね!急ぐわよ、夢音。先にドレスを着るわ。」

私「うん、わかった。」

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