私の存在価値
出血によって血が減り、視界もぼやけてきた。
喋ることも出来ず溢れるかのように出てくる血を止めることも出来なかった。

カチッ…

小さく銃の音がした。
滲む視線で私が捉えたのは銃を片手にこちらを向いている剛田の姿だった。
銃口は私に

ではなく、隣の響に向けられていた。

(ダメっ……!)

そう思うと身体が自然に動いていた。
自分でも驚くほどだった。


バンッ!!!!!

辺りに私の血が飛び散った。

〈 夢音side終わり 〉
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