私の存在価値
〈 響side 〉

一瞬何が起こったのか分からなかった。

急に夢音が立ち上がり、俺の前に
その瞬間目の前に赤が舞った。
俺の頬に生暖かいものが飛んできた。
それが血だという事を理解するのに時間はかからなかった。

ゆっくりとスローモーションのように夢音が俺の方へと倒れてきた。
その時俺の時間はやっと動き始めた。

倒れる夢音を抱きとめ、俺は呼びかける。

響「おい…おい夢音……。おい…!夢音っ!」

彼女の呼吸は段々浅くなっていっている。

響「何で…何で俺なんか……!どうしてっ……!!」

涙を堪えきれなかった。涙が伝い、彼女の頬に1粒、2粒と落ちる。
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