私の存在価値
彼女の口元が動いた。
「す…きだ……か……ら。」
「ひび……きに…たすけ………て…も…らった……から。」
「こん……どはわたし……が。」
夢音のその言葉にまた涙した。
響「俺もっ……俺もお前の事が好きだっ…。だから、死ぬなよ……。死なないでくれよっ……。」
俺はそういい彼女を抱きしめた。
抱きしめられながら夢音は
「あなたに……あえて。 よか……た。」
そう言い残し、目を閉じた。
彼女の体から力が抜ける。
響「おい…嘘だろ……嘘だって言ってくれよっ!!!」
何度彼女に問いかけても返事はない。
俺は何度も何度も呼びかけ、軽く揺すったりした。
でも答えは同じだった。