私の存在価値
それよりも、

私「ねぇ、希一聞きたいことがある。」

私がそう言うと

希「俺も多分同じこと話そうとしてるわ。
悪いけどお前ら外行ってくれね?」

と響達に言うと、彼らは素直に外へと出ていった。
そして彼らが出たことを確認し、私は本題へ入った。

私「病気についてはどうなってるの?」

希一は私から目を逸らさず真っ直ぐ向き言った。


希「お前の病気は今も進行中だ。」



覚悟はしていたがいざ言われると心に重くのしかかる。

希「でも安心しろ。」

声を殺してなく私の頭を撫でながら希一は微笑み交じりで言う

希「薬でどうにかできるレベルだ。
これからまだ辛いと思うが、俺も精一杯サポートするから頑張ろうな?」

私は子供みたいに泣きじゃくりながら彼に抱きつく。
ありがとう、ありがとう と何度も言う私に彼は笑いながらも撫でる手は止めなかった。
時折鼻を啜る音が聞こえる。

私の泣き声を聞きつけ勢いよく病室に入ってきた響に引き剥がされるまで私達の涙は止まらなかった。

病室にまた笑い声が増え、温かな空間が広がる。

私はそれが嬉しくて静かに涙を流したのだった。

〈夢音side終わり〉
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