嘘つき天使へ、愛をこめて
▽偽
見つけたい
あたしが転入してから、一週間が経った。
雅や玲汰の誘いも断って、仮住まいのひとり暮らしへと戻ったあたしは平然と日々を過ごしている。
学校へ行けば相変わらず幹部の皆には絡まれるし、雅も自分から話しかけてくることが多くなった。
常に周りがこのメンバーだからか、下っ端の生徒達もあたしには一目置いているらしく、最近では元気よく挨拶までされる。
そんなある日のことだった。
「……ねえ、天使」
「あたしは天使じゃない」
「じゃあ、サリ」
ほぼほぼ寝ている玲汰が、珍しく起き上がってあたしに近づいてきた。
「俺さ、サリの家、行きたいんだけど」
「は?あたしんち?」
いったいなにを言い出すのかと思えば、またまた突拍子もない。
面食らうあたしに、玲汰は真面目な顔で頷くと振り返って柊真を指さした。