嘘つき天使へ、愛をこめて
「柊真も行きたいって、昨日、言ってた」
「おいコラ玲汰!俺は行きたいって行ったんじゃなくて、ちゃんと食べてんのか心配だなって言っただけだろうが!」
「それ、行きたいってことじゃ」
「ねえよ!」
柊真のお母さんぶりにはもう慣れた。
けれど珍しく慌てているのが面白くて、思わずくすっと噴き出すとすかさず唯織が食いついてくる。
「あー!サリちゃん久しぶりに笑った!」
「あたしが笑っちゃ変?」
「ぜーんぜん!むしろ笑ってた方が、100倍可愛いよ!ね!櫂もそう思うでしょ?」
「俺に話を振るな。……まあ可愛くないわけでは、なくもなくもないかもしれないが」
それってどっち?
向こうで聞き耳をたてていた櫂の返答に、あたしは苦笑いを浮かべる。
まあどっちでもいいんだけど。
あたしを差し置いて、玲汰は家に来る気満々みたいだし、唯織や柊真も興味を示しているようだった。