嘘つき天使へ、愛をこめて
どうにか目眩も収まって顔をあげると、皆が心配そうにあたしを見ていた。
雅が肩を支えながら、座らせてくれる。
「顔色悪い」
「そ、そう?いつものことだよ」
あたしの隣に座り、顔を覗き込んで雅は眉を寄せた。
雅のことだ。
もしかしたら、さっきからあたしの顔色が悪いことに気づいていたのかもしれない。
そうじゃないと、あのタイミングであたしを受け止められはしなかっただろう。
「サリちゃん、本当に食べてるのか?」
「え?」
「いつも昼は食べないし、この生活感のなさから言って家で食べているようにも見えない。それにその細さもな、俺は心配だ」
お母さん節を全開に発揮させて、柊真はあたしに向き合ってくる。
答え淀んでいると、そのうちに「今週食べたものをあげてみろ」とまで言い出して、あたしは混乱した。
今週食べたものって言われても、困る。
そんなのいちいち覚えてないし。
……なんて答えられる雰囲気でもなく、皆してあたしの答えを待っているようで。
いやいや、待って、と必死に脳を回転させる。
「……えっと、えっとちょっと待って」
だめだ、思い出せない。
仕方なくあたしは鞄の中からお財布を取り出すと、レシートを取り出して机の上に並べて見せた。