嘘つき天使へ、愛をこめて

ちなみに全て、ここから三分ほどのところにあるコンビニのものだ。


「あたし基本コンビニ食だから」


そう言うと、雅を始めとした全員が、レシートの羅列を一枚ずつ取りあげた。


そして、どれどれとでも言いたげにじっとレシートを読み上げはじめる。


……なんでこんなことに。


「11月7日、天然水、ヨーグルト」

「11月9日、天然水、梅おにぎり」

「11月10日、天然水」

「11月12日、天然水、皮むきリンゴ」

「あれ、今日何日?」

「11月14日だ」


皆の視線がひしひしとあたしに注がれる。


「……まさか、これだけ」


「一週間でヨーグルトと梅おにぎりと皮むきりんごしか食べてないのか、お前」


玲汰の呆然とした声と、櫂の嘘だろうというこの世の終わりのような顔がぐさりと胸に突き刺さった。


……やっぱり連れてこなければよかった!


ひたすらに後悔するも、さすがにこればっかりは、あたしも言い逃れが出来ない。
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