嘘つき天使へ、愛をこめて


運良く倉庫には誰もいなかった。

注意深く道路を見ても、人気はない。


よし、いける……!


あたしは覚悟を決めて、駆け出した。

見つからないように出来るだけ裏路地を行くようにして、屋敷から離れる。


どこへ行くかなんて決めていない。

ただ、今はみんなから離れなければいけないと、それだけしか頭になかった。
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