嘘つき天使へ、愛をこめて
「大翔さん、俺たちもいいんですか?」
戸惑ったような様子で柊真が訊ねた。
「どうせもう隠せるような状態じゃねえ。サリには悪いが、マジで時間もねえんだ」
その深刻そうな声音に、柊真と櫂はそれ以上口を開くことはなく、俺の横へ腰を据える。
覚悟なんかない。
正直言って、今この瞬間も聞きたくないと思っている。
それでも逃げるわけにはいかなかった。
俺が俺自身に向き合うために。
……サリを、心から愛するために。