嘘つき天使へ、愛をこめて
君といたい
◇
手術は緊急で三日後に決まった。
あたしの場合はもう腫瘍がだいぶ大きくなっていて、成功するかどうかは分からないらしい。
記憶障害や後遺症が出る可能性は高いが、全く起こらない可能性もゼロじゃないと言われた。
でも、正直、もう怖くはない。
なんでだろう。
前よりも、少し希望を持てたからかな。
もう自由に身体を動かすのはキツいけれど、なんとなく気分はいい。
リクライニングベッドの背を少し起こして、あたしはぼーっと外の景色を眺めていた。
そこへ、売店へ行っていた雅が戻ってくる。
「起きて平気なの?」
「うん、平気」
心配そうに雅は眉を寄せながらも、ベッド脇に置いてあるパイプ椅子に腰を下ろすと、買ってきた袋を広げて見せた。