嘘つき天使へ、愛をこめて


「ねえ、雅」


「なに?」

「胡蝶蘭ってなんなの?あんたも幹部の人たちも、他のクラスの人たちもそうだけど……族って感じがしないよね」


普通下っ端の人達なんかは、総長や幹部と一緒の教室で授業を受けたら緊張し過ぎてぶっ倒れそうなものなのに。


そこに素人の偏見があるとはいえ、あまりにも格差が感じない……感じなさすぎる。


それはどう考えても、おかしいよね?


「胡蝶蘭はあまり役職に関して重視しないから。学校では族関係なく過ごせって言ってるし、実際俺らは族である前にいち男子高生だから余計そう見えるのかもね」

「……関係なく?」


「まあそうは言っても、俺や幹部メンバー達に下っ端が絡んでくることはないけど。ほら、気にするなって言っても、ああやって挨拶して来るし」


特に雅は別格だよね。
< 63 / 225 >

この作品をシェア

pagetop