(A) of Hearts

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「ありがとうございます」


キーを持たず慌てて出てしまった俺は、それからフロントの世話になるはめに。

なにをやってるんだか。
こんなところを見られなくてよかった。

部屋に入ってようやく安堵の息を吐き出し煙草に火をつける。

モニターに映る資料を眺めれば、眩しくて思わず目を細めてしまった。

家でしか吸わないつもりだったはずの煙草の煙が、やけに目にしみる。


「——ゼロか100」


あいつらしい言葉だな。



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