(A) of Hearts

「ああ」


アヤさん、かな。
なんて。


「先に寝てて」


ビンゴじゃん。
だけど、そっか。
もう一緒に住んでるのか。


「あと少しで帰る」


そして電話を切った。
煙草を吸い込む芦沢さん。

なんかさ。
だけどさ。


「——どうして、わたしを送ってるっているとおっしゃらないのですか?」

「いう必要があるか?」

「いまのご婚約者の方からですよね?」

「そうだけど?」


なによ。
なんでよ。

報告しても意味がないのかもしれないけれど、わたしが隣にいるのに、それを伝えなかった芦沢さん

よくわからないよ。
こんなこと思うわたしが間違っているの?

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