(A) of Hearts
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タクシーに乗り込んだキミから、しばらくして届いたメールを開いて溜息。
キミが謝ることはなにもない。
謝らなければならないのは俺だ。
しかしどうしたものか。
キミに対しての気持ちがゼロか100と前田はよく口にするが、そんなものはゼロに決まっている。なのに、このありさまで。
「——ゴッホゴホ」
あのまま本当は立ち去ろうと。
本気でそう思っていたのに、なんてざま。
この辺はタクシーが通らない道と運転手が言ったからなのか。それともあんなところへ放り出した非道さを改心するつもりだったのか。
なんにせよ、戻ったところで顔を合わせるつもりなどなかった。
ただ、
「……」
"ただ"なんだ?
なんなんだ俺は。
「さむっ」
やっぱりキミが俺の秘書に就くと聞いたとき断ればよかったか。
しかしどう考えても俺が悪いな。
このままでは流石に無理が出てくる。
「——クソ」
タクシーはまだか。
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