(A) of Hearts

「まさかとは思うけど、それが原因で彼氏がほしくないとか結婚したくないとか言ってたりする?」

「や、や、や!!ちょっと専務!!??」

「どうなんだ?」

「へ……?」

「どうなんだよ」


それは。
まあ。


「ヤバイ、なんかどうしよ俺。すっごい責任感じる」

「……」


嘘でしょ?


「ごめんな?」

「——ヒロですか?」


小さく頷く芦沢さん。
嘘をいっているようには思えない。
だけど、信じることもできるわけがない。こんなの、からかわれてるだけだ。


「うそ、ですよね?」

「ホント」


『ヒロは館野のことが好きだった。我慢できないほど欲情してしまった。だから館野が寝た布団は干すほど臭くなるから寝れない、大嫌い。と言った』


うそ。
うそ。
うそ。


「ちぃは臭くなんてない。だからそんなの気にするな」

「……」

「かわいいな」

「——やめてください」


だって。
大阪のホテルは?

あれも夢じゃなくて、やっぱり芦沢さんだったの?

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