(A) of Hearts
シャッフル

♡♡♡♡♡♡




ひとり降り立ったホームで、芦沢さんを乗せた新幹線を見送った。

本当に大丈夫かな。
足に根が生えてしまったのではないかと思えるほど、その場から動けない。

周囲を見渡してみるも藤崎さんの姿を確認することはできなかった。

携帯のロックを外し、連絡先を送っているところで着信。藤崎さんからだ!


『藤崎だけど、いま着いたのぞみに乗ってたんだよね?』

「あ、はいそうです!すみません突然。藤崎さんは、どちらにいらっしゃるんですか?」

『ええっとね』


わかりやすく目安になる看板をいくつかあげてくれたので、その指示通り歩いていけば藤崎さんの姿が目に入った。


「発見しましたっ」

『了解』


よかった。
知ってる顔に安堵の息を吐き出す。
ほんとよかったよ。


「すみませんっ」

「いえいえー。おかげでなんか楽しいしさー」

「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないですっ」

「まあまあ」


この緊急時に…っ!

< 66 / 222 >

この作品をシェア

pagetop