(A) of Hearts
真夜中のナイト
♡♡♡♡♡♡
パーティーも、そのあとの会食も滞りなく無事に終わった。
やっと終わった。
ぐったりだよ。
入場前に心配していたできごともなく、会場ではこれから会いに行く予定だった方とも一緒だったりで、蓋を開ければ一石二鳥な流れもあったり。
パーティーでは高嶋さんと同行することが多かったのだけれど、同じ立場の人をたくさん紹介してくれたので学んだこともたくさん。みんなそれぞれ不安を抱えていることもわかった。
一番印象的だった言葉は「転んでもただ起き上がるのではなく、些細なことでも必ず何かを掴んで立ち上がること」
この言葉こそ、何かを掴んだ瞬間なのではないかと思いハッとした。前進あるのみだ。自信をつけるには秘書資格を取るのもいいかもしれない。
あ、そういえば。
高嶋さんが付いている上司は社長だった。
芦沢さんとは古くからの付き合いということだけれど、社長だということもあり、てっきり年配者を思い浮かべていた。けれどとても若く、高身長で。モデルのようなスタイルは、失礼だけどお世辞にも社長には見えなかった。というかチャラかった。
だけど、その人のおかげで何ごともなくスムーズにことが運んだのだ。
「——つかれた」
どっとシートに身を預ける芦沢さん。
会食の前に栄養ドリンクを買い、チョコと一緒に渡したけれど、それでは持たなかったようだ。
あ、でも、ドリンクは飲んでたけれど、チョコを食べたのかは知らない。そのままポケットに中に放り込まれてしまった。
「お疲れさまでした」
「館野もお疲れさん」
「無事に終わりましたね」
「流石に眠い」
「到着したら声をおかけしますので、お休みになってください」