(A) of Hearts




「——う゛」





自分の体に異変。
突然奔る激痛。

何が起こっているのかわからない。
ひたすら身を丸めた。


「大丈夫か?」


誰の声?


「足がツってるな」

「——や、イタ、さ、ないで」

「膝伸ばしてみろ。いま治してやるから」

「や」


やめてよ触らないで。

身をよじるほど痛い!けど動いても痛い!
声を出しても痛いし、どこが痛いのかわからないけれど、とにかく痛すぎてなにもできないっ!


「い、痛い!!!」

「足首の力を抜け」

「む、む、むり」

「——ほら、力を抜く」


足の裏に手の感触。
もしかして攣ってるのかな…。
そして無理矢理に足首を立てられ、そのままグイグイ押された。


「楽になったろ」


ああ、助かった。
一時はどうなることかと。
そしてふたたび引きずり込まれていく。

だけどわたしの頭を撫でる手に気づいた。ぼんやりとする意識のまま目を開けてみる。


「……ゆめ?」


瞼が重い…。だめだ眠い。
また落ちる。

目を開けていられない。


「ちぃ」


ヒロ。
なんだ夢か。
どうりで……。

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