優しい吐息
「でも、丸くなったね~!」
「……何だか、海に行きたくなって。おじさんに拾われて、此処でバイトさせてもらえるようになりました。親も、喜んでくれて」
「ふぅん……。良かったね!」
この人に笑ってもらえると
本当に幸せなんだと思えた。
私は、一人のときよりずいぶん笑った。
「ライフセーバー目指してるの?」
「一応、今度の試験に出ます」
「そっか。頑張って。俺も色々教えられる事とかなら協力できるからさ」
「はい!」
何だか新鮮で、温かくて。
この時は本当に
此処に来て良かったと思えた。
まだ、見当たらなくても
夢と希望を見れたから。