優しい吐息
“プルルルル……”
“只今、電話に出ることが出来ません”
「…………」
何回目の電話かも忘れてしまうほど、
何度も何度も電話を掛けた
出ない君の様子に
昨日のニュースを思い出した
「馬鹿、そんなはず、ないじゃん……」
「ねえ、待ってよお兄ちゃ~ん!」
「馬鹿、待てるかよ~!!」
影を伸ばす小学生達の走り去る音
風が止まって、静かに街を照らしていた
心地良いんじゃない
寂しい
これが寂しいことだって、気付いた
“プルルルルルル……”
「まだなのかな……」
もう、7時だった
夕方に着いていたらもう居るはずなのに
何て馬鹿なんだろう
これじゃ捨てられた子犬みたい