テンポラリーラブ物語
氷室が電気をつけると、辺りはぱっと明るくなり、なゆみは不安と緊張と眩しさでたじろぎ目を細めた。
「そんなに緊張することないよ。えっと、斉藤…… さん? だったね」
「はい!」
また元気な返事が返ってくる。
なゆみはしっかりと目を据えて氷室を見ていた。
氷室はこの子はどれだけ持つだろうかと冷めた感情を持ち合わせながら、新しいタイムカードを探していた。
店の造りはシンプルで、広々としたスペースにガラスのショーケースで周りを囲んであるような販売店だった。
そのショーケースの中にはありとあらゆる、商品券やチケットなど、お得に利用できそうな金券が並べられている。
壁にはお品書きのように、新幹線と飛行機の格安チケットの値段が行き先と一緒にずらっと並べられ、宣伝になるようなポスターやポップが、所狭しとずらりと貼られてれていた。
囲まれたショーケースの中にデスクやコンピューターがあり、銀行の中のようにそこに人が入り働くような場所だった。
「あった、あった」
氷室はデスクの引き出しから新しいタイムカードを取り出す。
「ここに名前を書いて」
肩にかけてあったリュックサックを床に置き、ガラスのショーケースの上でなゆみは自分の名前を書いていた。
それをじっと氷室は見ていた。
どうも初めて会った気がしない。
「そんなに緊張することないよ。えっと、斉藤…… さん? だったね」
「はい!」
また元気な返事が返ってくる。
なゆみはしっかりと目を据えて氷室を見ていた。
氷室はこの子はどれだけ持つだろうかと冷めた感情を持ち合わせながら、新しいタイムカードを探していた。
店の造りはシンプルで、広々としたスペースにガラスのショーケースで周りを囲んであるような販売店だった。
そのショーケースの中にはありとあらゆる、商品券やチケットなど、お得に利用できそうな金券が並べられている。
壁にはお品書きのように、新幹線と飛行機の格安チケットの値段が行き先と一緒にずらっと並べられ、宣伝になるようなポスターやポップが、所狭しとずらりと貼られてれていた。
囲まれたショーケースの中にデスクやコンピューターがあり、銀行の中のようにそこに人が入り働くような場所だった。
「あった、あった」
氷室はデスクの引き出しから新しいタイムカードを取り出す。
「ここに名前を書いて」
肩にかけてあったリュックサックを床に置き、ガラスのショーケースの上でなゆみは自分の名前を書いていた。
それをじっと氷室は見ていた。
どうも初めて会った気がしない。