別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
「それで奏人君との関係はどうなってるの?」

「……微妙」

「微妙って?」

興味津々な梓に話せる範囲で事情を説明する。

一通り話すと、梓ははあと溜息を吐いた。

「それにしても、あの奏人君がイケメンで切れ者で、しかも御曹司か……理沙凄い男を捕まえたね、本当に運がいいわ」

「捕まえた訳じゃ……声をかけたのは私だけど、今の奏人とは違ってたし」

「そんなの関係ないわ。結果、イケメンハイスペックな男が理沙に夢中になってるんだから最高じゃない」

梓はニヤリと笑って言う。

「さっきも言ったけど、私達付き合ってないからね」

「早くよりを戻せばいいじゃない」

「そんな簡単にはいかないよ。だって一年も嘘つかれてたんだし」

そう言った途端、梓はうんざりした様な顔になった。

「まだ言ってるの? 確かに騙されてた形になってたけど彼にも事情が有ったんでしょ? 二度と嘘を吐かないって謝罪の上、やり直したいって懇願されてるんでしょ? しかも理沙だって好きなんでしょ? 何の問題があるの?」

まくし立てられ、私はしどろもどろになりながら言い返す。
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