別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
問題はそれだけじゃない。
瀧島課長と松島さん、このふたりが、どんどん奏人に絡んで来る様になっていた。
アシスタントの私も当然巻き込まれることになる。
滝島課長との険悪なやり取り。
松島さんのあからさまなアプローチ。
目の当たりにすると溜息しか出ない。
なんとかならないものなのかな。
クリスマスも近付いて来て、仕事はどんどん忙しくなって来ているのに。
その日も売掛金の検収処理が終らなくて、二十時近くになってしまった。
なるべく残業はするなと言われているから、この時間になると結構焦る。
急いで処理を進めていると、奏人が打ち合わせから戻って来た。
「まだ終らないのか?」
奏人が声をかけてくる。
「あと、三十分くらいです」
画面を見たまま答えると、奏人が私の背後に回りこんでくる。
「売掛金の管理か……それは手伝えないな」
奏人が残念そうに言う。
それから声を潜めて囁いて来た。
「何か食べて帰ろう。駅で待っていて」
この場合の駅は、私のアパートの最寄駅のことだ。
「はい」
私の返事に満足したように、奏人が笑った。
瀧島課長と松島さん、このふたりが、どんどん奏人に絡んで来る様になっていた。
アシスタントの私も当然巻き込まれることになる。
滝島課長との険悪なやり取り。
松島さんのあからさまなアプローチ。
目の当たりにすると溜息しか出ない。
なんとかならないものなのかな。
クリスマスも近付いて来て、仕事はどんどん忙しくなって来ているのに。
その日も売掛金の検収処理が終らなくて、二十時近くになってしまった。
なるべく残業はするなと言われているから、この時間になると結構焦る。
急いで処理を進めていると、奏人が打ち合わせから戻って来た。
「まだ終らないのか?」
奏人が声をかけてくる。
「あと、三十分くらいです」
画面を見たまま答えると、奏人が私の背後に回りこんでくる。
「売掛金の管理か……それは手伝えないな」
奏人が残念そうに言う。
それから声を潜めて囁いて来た。
「何か食べて帰ろう。駅で待っていて」
この場合の駅は、私のアパートの最寄駅のことだ。
「はい」
私の返事に満足したように、奏人が笑った。