別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
奏人とやり直す。

そう決めて言葉にしたからか、心のありようががらりと変わった。

素直に甘えられる。

私の部屋の小さなソファーに奏人とふたり並んで座り、彼にもたれかかった。

「ねえ、朝美さんの部屋では何も無かったんだよね?」

念を押すように聞くと奏人が小さく笑った。

「無いよ。そんなに心配?」

「信用してない訳じゃないんだけど……」

他の人に触れないで欲しい、私だけを見て欲しい。

前以上に独占欲に溢れてしまう。

「理沙にしか興味ないから」

奏人はそう言いながら、私の頬に手を添えて来る。

至近距離で見つめあうことになり、胸が高鳴る。
「キスしていい?」

触れられたまま囁かれ、顔が熱くなる。

「ど、どうして聞いてくるの?」

前はいちいちそんな事を聞いて来なかったのに。

「理沙にいいって言って欲しいから」

切なそうに請われ、嫌といえるわけがない。
私自身、奏人と触れ合いたいと思っているのだし。

頷くと、そっとお互いの唇が触れ合った。


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