別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
スーパーで、引きこもりの土日を満喫する為に必要な食材とお菓子を買い、それから図書館に移動した。

駅前の図書館はかなり広く、沢山の種類の本が置いてある。
と言っても、私が読む本はだいたい決まっているんだけどね。

私が好んで読むのは恋愛小説。
特にハッピーエンドの、王道ストーリーが好き。

何時もの恋愛小説が並んでいる棚の前に行き、ゆっくりと視線を走らす。

図書館通いの長い私は、かなりの数の本を読破している。

まだ読んで無い本から気になるものを借りるんだけど、恋愛小説のタイトルって似たり寄ったりなんだよね。

【恋の〜】とか、【婚約者が〜】とか、【花嫁の〜】で始まる事が多い。似た様なキーワードの組み合わせがそれは沢山並んでいる。

だからどれを読んだのかタイトルからは思い出せない事が多く、気になるタイトルを一つずつ手に取って中身を確かめて行くことになるから選ぶのに時間がかかる。

……そう言えば奏人は私が本を選ぶ間、急かす事なく黙って待っていてくれたな。

奏人は私と違って図書館が大好きって訳じゃなく、自分一人だったら調べたい事がある時に来る位だと言っていた。

私と出会った時も、たまたま仕事の関係の調べものが有って来ていたそうだ。

用も終わり帰ろうとした時、私の忘れ物に気付いて声をかけて来たんだよね。

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