別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
結構酔っ払ってしまったけれど、奏人が車だったから助かった。

助手席でうつらうつらしている内にアパートに着き、奏人に支えて貰いながら部屋に入る。

梓とおしゃべりをして気分が高揚しているせいか、つい奏人に絡みたくなる。

水を用意しようとしている奏人に抱き着いて、自分からキスをした。

「理沙、飲みすぎだろ?」

奏人はそう言いながらも、私の手を振りほどいたりしない。

だから、私は更に調子にのってもう一度キスをする。

「奏人、大好き」

こうやって、キスをすることが許される立場なことが嬉しい。

奏人に触れてキスをしていいのは私だけ。

そう思うともっと彼に触れたくなる。

されるがままになっていた奏人は、私が何度目かのキスをしようとした時、突然動き、私を強い力で抱きしめた。

「今日は大人しく寝ようと思ったのに……煽る理沙が悪い」

奏人はそう言うと、深いキスをしかけてくる。

「うん……んんっ……」

私からのキスとは違い、意識ごと奪われるような激しい口付け。

陶酔してしまい、何も考えられなくなる。

気付けばベッドに運ばれていて、奏人の温もりをじかで感じている。

触れ合う肌の感覚が気持ちいい。

ずっとこうして触れ合っていたいと思う。

だけど、奏人の動きはどんどん激しくなって、最後は何も考えられなくなった。


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