別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
予想以上に騒ぎが大きくなってしまった事に気付き、私は青ざめる。
その時、低く落ち着いた声がした。
「滝島課長、迷惑をかけたようで申し訳ありません。あとは私の方で対処しますので」
どうしてか分からないけど、車で先に行ったはずの奏人が遠巻きに見ている人達の中から進み出て来て滝島課長と対峙した。
滝島課長の顔が歪む。
反対に私は安堵の息を吐く。
「北条君、これは見過ごせないトラブルで、場所を変えて話し合うべきだ。当然私も上司として同席する」
私は不満でいっぱいになりながら、滝島課長を見つめた。
課長はさくら堂の品位がどうとか言っていたくせに、奏人を責めるその態度は私情にまみれている。
だけど奏人は苛立った様子はなく、無表情で課長に頷き、それから朝美さんに言った。
「仲原さん。場所を用意するからそこで話し合おう」
朝美さんの苗字って、仲原なんだ。
中瀬と少し似ている、なんて余計なんて事が頭に浮かぶ。
「いいけど、奏人とふたりで?」
驚く事に、朝美さんは悪びれずに言う。
これだけの騒ぎを起こした事に対する罪悪感などは一切無さそうな態度だ。
「関係者も同席だ」
「どうして? 必要ないわ。私は奏人と……」
「これ以上主張するなら、業務妨害と付き纏いで警察を呼ぶ。それが嫌なら従え」
奏人は、朝美さんを冷たくさくら堂のビルに促す。
奏人に続いて、課長が朝美さんに声をかけた。
「案内する」
警察を呼ばれるのは、朝美さんも困るのか、周囲の注目を浴びなら課長と連れ立ってビルに向かって歩いて行く。
会社で話をするようだけど、大丈夫なのかと不安になる。
ふたりが遠ざかるのを見届けた奏人が、私に近付いて来た。
その時、低く落ち着いた声がした。
「滝島課長、迷惑をかけたようで申し訳ありません。あとは私の方で対処しますので」
どうしてか分からないけど、車で先に行ったはずの奏人が遠巻きに見ている人達の中から進み出て来て滝島課長と対峙した。
滝島課長の顔が歪む。
反対に私は安堵の息を吐く。
「北条君、これは見過ごせないトラブルで、場所を変えて話し合うべきだ。当然私も上司として同席する」
私は不満でいっぱいになりながら、滝島課長を見つめた。
課長はさくら堂の品位がどうとか言っていたくせに、奏人を責めるその態度は私情にまみれている。
だけど奏人は苛立った様子はなく、無表情で課長に頷き、それから朝美さんに言った。
「仲原さん。場所を用意するからそこで話し合おう」
朝美さんの苗字って、仲原なんだ。
中瀬と少し似ている、なんて余計なんて事が頭に浮かぶ。
「いいけど、奏人とふたりで?」
驚く事に、朝美さんは悪びれずに言う。
これだけの騒ぎを起こした事に対する罪悪感などは一切無さそうな態度だ。
「関係者も同席だ」
「どうして? 必要ないわ。私は奏人と……」
「これ以上主張するなら、業務妨害と付き纏いで警察を呼ぶ。それが嫌なら従え」
奏人は、朝美さんを冷たくさくら堂のビルに促す。
奏人に続いて、課長が朝美さんに声をかけた。
「案内する」
警察を呼ばれるのは、朝美さんも困るのか、周囲の注目を浴びなら課長と連れ立ってビルに向かって歩いて行く。
会社で話をするようだけど、大丈夫なのかと不安になる。
ふたりが遠ざかるのを見届けた奏人が、私に近付いて来た。