別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
でも、釈然としないけれど、奏人の連絡を待っていたのは本当だ。
許せないと思いながら何度もスマホを確認してしまっていた。
自分から別れを告げたくせに、連絡が全然来ない事で、苦しくなってベッドの中で何度も泣いた。
私……何がしたいんだろう。
もう自分が分からない。
「理沙、ここではこれ以上話せないから場所を移そう」
「……」
「部屋で待っていて、一時間後に行くから」
部屋って言うのは、奏人が住んでいたアパートの事だ。
私のアパートと会社の中間の駅に有り、私も何度も出入りしていた。でも……。
「あの部屋は偽の部屋なんじゃないの?」
奏人の本当の家は、この会社の社長の家なんだから。
嘘を吐かれていた事実を再認識して悲しくなる。
そのせいで冷たい声になった私を、奏人は漸く解放した。
ホッとしているのと同時に、寂しく感じている自分がいる。
「あの部屋も俺の家だから。もう理沙に偽りを言うことは無いから信じて欲しい」
奏人は部屋の鍵を私に差し出しながら言った。
「信用なんて、もう出来ないよ」
そう言いながらも、私は鍵を受け取ってしまう。
奏人は安心した様に微笑んで、「直ぐ帰る」と言い会議室を出て行った。
許せないと思いながら何度もスマホを確認してしまっていた。
自分から別れを告げたくせに、連絡が全然来ない事で、苦しくなってベッドの中で何度も泣いた。
私……何がしたいんだろう。
もう自分が分からない。
「理沙、ここではこれ以上話せないから場所を移そう」
「……」
「部屋で待っていて、一時間後に行くから」
部屋って言うのは、奏人が住んでいたアパートの事だ。
私のアパートと会社の中間の駅に有り、私も何度も出入りしていた。でも……。
「あの部屋は偽の部屋なんじゃないの?」
奏人の本当の家は、この会社の社長の家なんだから。
嘘を吐かれていた事実を再認識して悲しくなる。
そのせいで冷たい声になった私を、奏人は漸く解放した。
ホッとしているのと同時に、寂しく感じている自分がいる。
「あの部屋も俺の家だから。もう理沙に偽りを言うことは無いから信じて欲しい」
奏人は部屋の鍵を私に差し出しながら言った。
「信用なんて、もう出来ないよ」
そう言いながらも、私は鍵を受け取ってしまう。
奏人は安心した様に微笑んで、「直ぐ帰る」と言い会議室を出て行った。