別れたいのに愛おしい~冷徹御曹司の揺るぎない独占愛~
奏人の隣の席での仕事がスタートした。
と言っても、直ぐに私に振るような仕事は無いようだ。
奏人は昨日と同じ様に部長達と打ち合わせをしたりと、席にいない事が多かった。
そういう訳で私は通常通りの仕事をこなしているんだけど、隣の席が奏人って言うのはやっぱり落ち着かない。
いつ戻って来るのか気になってソワソワしてしまう。慣れるまで結構時間がかかりそうだ。
でも、仕事を辞める訳にはいかないので、なんとか慣れるしかないんだよね。
奏人の事は出来るだけ気にしない様にと自分に言い聞かせ、入社以来やっている経費計上の入力をしていると、それなりに時間は経ちお昼休みになった。
今日の私は珍しくお弁当じゃない。
昨日はいろいろな事があり過ぎて疲れ果てていたし、精神的にも完全にキャパオーバーで、アパートに帰ってからはシャワーを浴びる事くらいしか出来なかった。
朝も余裕がなく、遅刻をしない様に身支度をするので精一杯。
松島さんや部内の女性達は、いつも通りに外食する為出かけて行くようだ。
今日はお弁当が無いと言ったらあの中に入れて貰えるだろうけど、奏人の事をあれこれ聞かれるのが予想出来る。
たまにはみんなが通っている美味しいお店に行ってみたい気持ちも有るけど、今日は危険なので諦めよう。
私は何か適当にテイクアウトして席で食べようかな。それか入りやすそうなカフェが有ったら一人で食べてきてもいいし。
そんな事を考えながら机の上の書類を仕舞っていると、部長と課長と奏人が打ち合わせから戻って来た。
奏人は部長達とランチに行くのかな。
なんとなく眺めていると、奏人が私の方を向いたからしっかりと目が合ってしまった。