嘘つきには甘い言葉を
第6章 本音のバレンタイン
「ねぇねぇ、桜。水無月さんと別れたって本当?!」
年が明けて久しぶりの大学、門をくぐった途端に美紀に声をかけられた。
予想はしていたことだから、内心ため息をつきながら「そうだよ」と返事する。
「やっぱり! SNS返事くれないんだもん。気になってたんだ。
でも何で? 何かあったの?
クリスマスイベント以来水無月さん、機嫌が悪いらしいんだよねー。桜と別れたから? 桜が振ったって噂だけど本当?」
身を乗り出して質問攻めにしてくる美紀に辟易して、「いいでしょ。隼人さんの事はもう関係ない」強い口調で言う。
さすがに悪かったと思ったのか「ごめんごめん」と苦笑いして、美紀は別の友達に声をかけに行った。本当、噂好きなのが彼女の悪いところだよね。
これ以上色々言われたくなくて、和香には昨日伝えてあった。
どうして? と聞きたい顔をして「おはよう」と微笑んだ和香は、隼人さんの話題に触れなかった。
人の噂も七十五日。
皆すぐに忘れていく。今までずっと一人だったんだから、私も平気……だよね。
1月にはV5の集まりがあったけれど、体調が悪いと言って断った。
特別なことがあっても何もなくても月日が経つのはあっという間で、一年で一番寒い時期は終わりを告げようとしていた。
年が明けて久しぶりの大学、門をくぐった途端に美紀に声をかけられた。
予想はしていたことだから、内心ため息をつきながら「そうだよ」と返事する。
「やっぱり! SNS返事くれないんだもん。気になってたんだ。
でも何で? 何かあったの?
クリスマスイベント以来水無月さん、機嫌が悪いらしいんだよねー。桜と別れたから? 桜が振ったって噂だけど本当?」
身を乗り出して質問攻めにしてくる美紀に辟易して、「いいでしょ。隼人さんの事はもう関係ない」強い口調で言う。
さすがに悪かったと思ったのか「ごめんごめん」と苦笑いして、美紀は別の友達に声をかけに行った。本当、噂好きなのが彼女の悪いところだよね。
これ以上色々言われたくなくて、和香には昨日伝えてあった。
どうして? と聞きたい顔をして「おはよう」と微笑んだ和香は、隼人さんの話題に触れなかった。
人の噂も七十五日。
皆すぐに忘れていく。今までずっと一人だったんだから、私も平気……だよね。
1月にはV5の集まりがあったけれど、体調が悪いと言って断った。
特別なことがあっても何もなくても月日が経つのはあっという間で、一年で一番寒い時期は終わりを告げようとしていた。