嘘つきには甘い言葉を
ほとんど口を挟まずに聞いてた皆。
涙声で話し終えたら、ナツミがスマホを目の前に掲げた。
「もしかして隼人さんって、この人?」
画面にはSIZEのホームぺージ。「代表 水無月隼人」という文字と彼の写真が掲載されていた。正面見据えて口の端を上げてる。
「どれどれ?」
覗き込んだカナコとハルが納得した声を上げた。
「こりゃ確かにイケメンだわ。あ、プロフィール。身長178㎝。彼女なしって書いてあるよ。よかったね、桜」
「イベント情報だって」
「嘘? これ今日じゃない? M駅の中央広場でバレンタインイベント開催中。TV取材も来てます。ぜひ参加をって書いてあるよ」
「街角のステージで大好きな彼に告白しちゃおう。参加してくれた女の子、カップルには素敵なプレゼントも、だって」
「これ行こうよ」
ステージで……告白?!
「な、何言ってんの? 無理だよ」
そんなの無理無理無理。
突拍子もない話に思いっきり首を振る。
そんな私に、黙っていた皆実がにじり寄って来た。
「中学の時、私の為に知らない高校まで行ってくれたよね。
あんなこと誰にでも出来ることじゃないよ。……桜。勇気出してよ。今度は自分の為に」
和香も、皆実も、皆私の背中を押してくれてる。
龍君を好きになった事に後悔はないけれど、あんなにも好きだったのに、気持ちを伝えることができなかった私。
いつの間にか後ろ向きで消極的になった私。
ここで踏み出せたら、変われる?
昔みたいに笑える?
「私……行く! でも待って。顔洗って、化粧して……」
混乱した頭で準備始める私に、V5達が歓声を上げた。
「よーし。とびっきり可愛くしていくからね!」
ナツミが鞄からメイクグッズを取り出す。
そういえばナツミの就職先って化粧品会社で、上司と付き合ってるんだっけ。
「今日はデート大丈夫なの?」
「夜はもちろんバレンタインディナー。心配しなくていいから、ほら鏡向いて」
涙声で話し終えたら、ナツミがスマホを目の前に掲げた。
「もしかして隼人さんって、この人?」
画面にはSIZEのホームぺージ。「代表 水無月隼人」という文字と彼の写真が掲載されていた。正面見据えて口の端を上げてる。
「どれどれ?」
覗き込んだカナコとハルが納得した声を上げた。
「こりゃ確かにイケメンだわ。あ、プロフィール。身長178㎝。彼女なしって書いてあるよ。よかったね、桜」
「イベント情報だって」
「嘘? これ今日じゃない? M駅の中央広場でバレンタインイベント開催中。TV取材も来てます。ぜひ参加をって書いてあるよ」
「街角のステージで大好きな彼に告白しちゃおう。参加してくれた女の子、カップルには素敵なプレゼントも、だって」
「これ行こうよ」
ステージで……告白?!
「な、何言ってんの? 無理だよ」
そんなの無理無理無理。
突拍子もない話に思いっきり首を振る。
そんな私に、黙っていた皆実がにじり寄って来た。
「中学の時、私の為に知らない高校まで行ってくれたよね。
あんなこと誰にでも出来ることじゃないよ。……桜。勇気出してよ。今度は自分の為に」
和香も、皆実も、皆私の背中を押してくれてる。
龍君を好きになった事に後悔はないけれど、あんなにも好きだったのに、気持ちを伝えることができなかった私。
いつの間にか後ろ向きで消極的になった私。
ここで踏み出せたら、変われる?
昔みたいに笑える?
「私……行く! でも待って。顔洗って、化粧して……」
混乱した頭で準備始める私に、V5達が歓声を上げた。
「よーし。とびっきり可愛くしていくからね!」
ナツミが鞄からメイクグッズを取り出す。
そういえばナツミの就職先って化粧品会社で、上司と付き合ってるんだっけ。
「今日はデート大丈夫なの?」
「夜はもちろんバレンタインディナー。心配しなくていいから、ほら鏡向いて」