嘘つきには甘い言葉を
昔から女の子らしくてオシャレが大好きなカナコが勝手にクローゼットを漁る。
「お、思ったよりかわいい服あるじゃない。やっぱワンピースだよね。靴は……ヒールないの?もう、仕方ないなぁ。あ、このパンプスリボン着けたら可愛いかも。ボンドどこー?」
昨日和香が持ってきたラッピンググッズから、勝手にリボンが選ばれてパンプスを飾る。
「え、可愛いすぎない?」
鏡の端に映るパンプスに顔をしかめるけど、「ちゃんと前向いて」とナツミに戻される。
しかもあれ、隼人さんとフリマに行って衝動買いしたミニワンピだよね。あんなの恥ずかしくて着れないよ。
「はい交代」
ロングヘアが似合うハルが、「いつの間にか髪伸びたね。サイドは編み込みにしよう。前髪切るよー」とためらいなく鋏を入れた。
ええ?!
「ちょ、ちょっと待って」
「動くと知らないよ」と冷たく言い放ちながら床に敷かれた広告には髪が散らばる。
「いつも私自分で切ってるから大丈夫」
大丈夫じゃないよー。
何だかすーすーして落ち着かない前髪を触りながら立ち上がる。サイドは編み込みにしてリボンまでつけられてしまった。恥ずかしい……。
「じゃあ着替えてきてね。はい、これ」
ワンピースと共に、皆実から小さな包みが渡された。
もうこうなったらなるようになれ。
バスルームの扉を閉めて包みを開くと、ピンク色でゴージャスなレースの上下セットの下着。皆実、何考えてるの……。
諦めて下着を身に着けてワンピースに袖を通す。縦長の鏡には、普段と別人の自分が映っていた。
自分でこんなこと言うのはおこがましいけど、意外と……似合ってる?
待ちきれなくなったのか「いい? 開けるよ」の声と共に乱暴に開かれる扉。
「いいじゃない!」
「桜、可愛い」
「うん、完璧」
「さぁ、行くよ」
「お、思ったよりかわいい服あるじゃない。やっぱワンピースだよね。靴は……ヒールないの?もう、仕方ないなぁ。あ、このパンプスリボン着けたら可愛いかも。ボンドどこー?」
昨日和香が持ってきたラッピンググッズから、勝手にリボンが選ばれてパンプスを飾る。
「え、可愛いすぎない?」
鏡の端に映るパンプスに顔をしかめるけど、「ちゃんと前向いて」とナツミに戻される。
しかもあれ、隼人さんとフリマに行って衝動買いしたミニワンピだよね。あんなの恥ずかしくて着れないよ。
「はい交代」
ロングヘアが似合うハルが、「いつの間にか髪伸びたね。サイドは編み込みにしよう。前髪切るよー」とためらいなく鋏を入れた。
ええ?!
「ちょ、ちょっと待って」
「動くと知らないよ」と冷たく言い放ちながら床に敷かれた広告には髪が散らばる。
「いつも私自分で切ってるから大丈夫」
大丈夫じゃないよー。
何だかすーすーして落ち着かない前髪を触りながら立ち上がる。サイドは編み込みにしてリボンまでつけられてしまった。恥ずかしい……。
「じゃあ着替えてきてね。はい、これ」
ワンピースと共に、皆実から小さな包みが渡された。
もうこうなったらなるようになれ。
バスルームの扉を閉めて包みを開くと、ピンク色でゴージャスなレースの上下セットの下着。皆実、何考えてるの……。
諦めて下着を身に着けてワンピースに袖を通す。縦長の鏡には、普段と別人の自分が映っていた。
自分でこんなこと言うのはおこがましいけど、意外と……似合ってる?
待ちきれなくなったのか「いい? 開けるよ」の声と共に乱暴に開かれる扉。
「いいじゃない!」
「桜、可愛い」
「うん、完璧」
「さぁ、行くよ」