嘘つきには甘い言葉を
私の顔の横に手をついて、隼人さんは唇を重ねてきた。角度を変えて舌を絡められて、酸欠で意識が飛びそうになるまで彼は離してくれない。
「は、やとさん……?」
力が抜けて焦点が合わない目で声を絞り出す。何か言わないとまた唇を奪われてしまう気がした。それくらい情熱的な瞳が私を見つめてる。
「ちゃんと思い出せたから、ご褒美」
自信満々な笑みで私を見下ろして、また唇を重ねようとしたから、私はあと5㎝のところで何とか制止する。
「ま、待って」
頭が混乱して、ぼんやりして、だけど彼のものになる前に1つだけ、聞いておきたい。
「隼人さんは、いつから私の事好きだったの?」
「やっぱり初めてはベッドの方がいいよな」
質問に答えてませんけど。
突っ込もうとしたら、身体の下に手を差し込まれて持ち上げられる。
いわゆる、お姫様抱っこ。
筋トレグッズが揃う部屋を通り過ぎて、最初に案内されたベッドに戻ってきた。
今さら心の準備が、とは言えない。
隼人さんはちゃんと時間をくれたから。
だけどものすごく、緊張する。
ふわりと下ろされたベッドは、隼人さんの匂いがした。ここでいつも寝てるんだ。セミダブルのベッドに、濃いグリーンのシーツ。
……そういえば。
「猫とかいないの?」
「何で?」
「いつも絶対泊まらないで帰ってたから。家で待ってるコがいるのかと思ってた」
「お前って、本当に馬鹿だな」
もう、馬鹿馬鹿ひどいんだから。
「好きな女と一晩過ごして、手を出さないなんて無理だろ。気付けよ。バカ」
また馬鹿って言われた。
でも……好きって言われた……。
「私も、好き」
「知ってる」
「は、やとさん……?」
力が抜けて焦点が合わない目で声を絞り出す。何か言わないとまた唇を奪われてしまう気がした。それくらい情熱的な瞳が私を見つめてる。
「ちゃんと思い出せたから、ご褒美」
自信満々な笑みで私を見下ろして、また唇を重ねようとしたから、私はあと5㎝のところで何とか制止する。
「ま、待って」
頭が混乱して、ぼんやりして、だけど彼のものになる前に1つだけ、聞いておきたい。
「隼人さんは、いつから私の事好きだったの?」
「やっぱり初めてはベッドの方がいいよな」
質問に答えてませんけど。
突っ込もうとしたら、身体の下に手を差し込まれて持ち上げられる。
いわゆる、お姫様抱っこ。
筋トレグッズが揃う部屋を通り過ぎて、最初に案内されたベッドに戻ってきた。
今さら心の準備が、とは言えない。
隼人さんはちゃんと時間をくれたから。
だけどものすごく、緊張する。
ふわりと下ろされたベッドは、隼人さんの匂いがした。ここでいつも寝てるんだ。セミダブルのベッドに、濃いグリーンのシーツ。
……そういえば。
「猫とかいないの?」
「何で?」
「いつも絶対泊まらないで帰ってたから。家で待ってるコがいるのかと思ってた」
「お前って、本当に馬鹿だな」
もう、馬鹿馬鹿ひどいんだから。
「好きな女と一晩過ごして、手を出さないなんて無理だろ。気付けよ。バカ」
また馬鹿って言われた。
でも……好きって言われた……。
「私も、好き」
「知ってる」