ポイントカードはお持ちですか?
「伊月君と風見さん、うまくいったかしらね?」
グッと身を寄せて声をひそめた奈美さんが、うずうずする気持ちを隠すことなく言ってきた。
「伊月君と風見さん?」
「昨日すっごくいい感じだったのよ。二人とも二次会来なかったから、絶対何かあったんじゃないかって。二次会はその話で持ちきりだったんだから!」
伊月君と風見さんは何もなかったはずだ。
何かあったのは私。
私だって二次会は行かなかった。
それでも噂になるのは、私ではなく風見さんなんだな。
「風見さんは伊月君が好きみたいですもんね」
「あ、やっぱり?それはみんな言ってた。だって風見さん、伊月君と話すときはキラキラしてるもんねー。伊月君の方はどうなんだろう?」
「私に伊月君の気持ちはわかりません」
丁寧で真面目で慎重な伊月君。
夜を越えてもその印象は変わらない代わりに、相変わらず何を考えているのかもわからない。
『責任取らせてください』
一体どこまで責任取ってくれるって言うのよ!