レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
「中瀬くん……張り切って今度来るって言ってた」
「うん……」
やっぱり。
好きだもんね、大勢で何かをするの。
付き合い始める前、サークルの初イベントの時にも言っていた。
「オレ、みんなで盛り上がる雰囲気が好きなんだ」って。
だから、イベントの度に中心になって計画を立てていた。
とても嬉しそうに……。
「変わってないね……」
全然変わってない。
私がいなくても、毎日を楽しんでいるんだ。
そう思うと、1年も引きずっている自分がなんだか惨めだった。
「梓。声掛けてくれたのは嬉しいけど、私やっぱりやめとくわ……」
「しずく……」
先輩たちには申し訳ないけど、辛いんだ。
君と会うのが……辛い……――。
カフェのラジオからは、君が大好きだったバラード曲が淡々と流れていた。