レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
トマドウココロ
「あま……さん!
雨宮さんっっ!!」
――あれから3日。
今日もバイトに来ていた私は、仲間に声を掛けられてハッと我に返る。
仕事中にも関わらず、どうやらボーっとしていたらしい。
「……どうしたの?何かさっきから‘心ここにあらず’って感じだけど」
心配そうに顔を覗き込む彼女に、私は笑顔を返した。
「ううん、大丈夫。ちょっと昨日夜更かししちゃって、寝不足なだけ。
……コレ、3番テーブルに持っていくんだよね?」
「あ……うん」
私が相当落ち込んでいるとでも思っていたのだろう。
何事もなかったように明るく振舞う私を、彼女は驚いたように見つめていた。
……本当は、一瞬でもこんな風に平然としている自分が不思議で仕方なかった。
そのくらい、私の心の中は‘あのこと’でいっぱいになっていたから――……。