レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
【3】
雲の切れ間から、ほんの少しだけ太陽が覗く。
かと思ったら、また雲に隠れ灰色の世界が訪れる。
部屋の窓を開け、外の様子を覗いながら思う。
――最近の天気は、私の心と同じだ。
期待は太陽、不安は雲。
親友の言葉に少しの希望を覚えながらも、どうしても思い出してしまう。
切なそうに顔を歪ませ、
ただ一言「別れよう」と言ったときの君を。
だから、君に会う勇気が出ない。
会ったら……
話をしたら……。
また、大粒の涙が零れてしまうような気がして。
そうしたらもう二度と、
私の心に光が射すことはない。
そんな気がして……。
「無理だよ、やっぱり」
私は窓を閉め、今まで見ていた景色に背を向けた。