レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
ショウゲキ
――金曜日。
引退記念登山がいよいよ明日に迫った日、私は夕飯の材料を買いにスーパーまで出かけた。
梓はあれ以来、何度も私に電話をかけてくるが、私は未だに迷い続けていた。
すぐにマイナスの方向に考えてしまうのは、私の悪い癖。
プラス思考の君に、いつもバカにされていた。
「しずくは、いつも悪く考えすぎ!!
もっとこう、いい方向に考えてこうぜ」
今、
それができたらどんなに良かっただろう。
不安など気にせずに、梓の言葉だけを信じ、
もう一度君に会えたら、何かが変わるのだろうか?
ケータイに付けたストラップ。
何回目かのデートで、君が買ってくれたものだ。
どうしてもお揃いにしたくて、こっそり色違いを買って帰りにプレゼントした。
買ってから1年以上も経った安いストラップは、もうボロボロで、
ケータイと繋がる部分が、今にも擦り切れそうになっていた。