レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
やっぱり、思った通り。
太陽は、一瞬にして雲に隠される。
しかも、太陽の光をくれたのと、それを雲で覆ったのは同一人物。
梓……なんで??
まさに衝撃が走ったという感覚だった。
その時の私は、近くの棚の影に隠れるのが精一杯で。
しばらくはその場に立ったまま動けずにいた。
あれは、どこからどう見ても恋人同士にしか見えない。
私がいちばん見たくなかった光景がそこにはあった。
私ではない、別の人に、特別な笑顔を向ける君。
しかもその相手が親友だなんて……。
「……っっ……」
頬を、一筋の涙が伝っていくのがわかった。
私は、そのまま何も買わずにスーパーを後にした。
一刻も早く、その場から逃げ出したくて――……。