レンアイ前線、雨のち晴れ【LOVEドロップス参加作品】
周りの人に気付かれないように涙を隠して店を出ると、ポツポツと雨が降り出していた。
もしかしたら、空は私の心と繋がっているのかもしれない。
そう思わせるほど、今の気持ちとぴったりだった。
私は走った。
濡れるのも構わず、ただひたすら。
走って走って。
今見たことを忘れようと試みる。
でも、そんなことできるはずもなくて。
アパートにたどり着くと、びしょ濡れの服のまま、布団に顔を埋める。
「……うっ……くっ……」
嗚咽が漏れる。
悲しいからなのか、悔しいからなのか、自分でもよくわからない。
君はもう、私の彼氏ではない。
そんなこと、わかってるのに。
なのに、どうして……。
流れる涙を抑えることなどできなかった。